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2009年12月29日

腰部椎間板ヘルニア遺伝子の一つを発見 理化学研究所の研究チーム

2005年5月、理化学研究所の研究チームは、腰部椎間板ヘルニアの原因となる遺伝子の一つを世界で初めて発見。椎間板ヘルニアの病態を、遺伝子レベルたんぱくレベルで解明したもので、今後の新治療開発に繋がる画期的な研究である。 椎間板ヘルニアは多くの人が経験する腰痛の原因の一つでもあり、足のしびれや麻痺などの感覚障害、座骨神経痛などの症状を伴い、社会生活への影響は計り知れないが原因は明らかではなかった。

過去にも椎間板ヘルニアの原因となる遺伝子の報告はあったが、その機能は明らかにされていなかった。

理化学研究所研究チームは、多データの解析結果を基に「CILP」遺伝子に着目して研究、以下のことが明らかになった。

人の組織でCILP遺伝子を調べた所、椎間板に強く現れていた。
椎間板ヘルニアの患者さんは、椎間板の変性が強くなる程CILP遺伝子が上昇。
椎間板の変性の強い部位には、CILP遺伝子が多く現れている事が解った。

次に、椎間板ヘルニアの人と病気ではない人で、SNP(一塩基多型)の型に違いがあるか統計学的に処理した結果、CILPたんぱくの395番目のアミノ酸のイソロイシン(Ile)がスレオニン(Thr)に変化しているタイプがあると、椎間板ヘルニアになる確率が約1.6倍高くなることが解った。
CILPはタンパクで軟骨細胞の周囲に在り、軟骨細胞の主な成長因子TGF-βの作用を抑える。
この作用により椎間板ヘルニアに罹患しやすい状態になり、CILPのThr型がより強く作用する。

腰部椎間板ヘルニアの病態を、遺伝子レベル、たんぱくレベルで明らかにしたことは、新しい治療の開発に繋がる画期的な研究と言える。

研究チームは、今後椎間板ヘルニアの分子診断システム開発、分子病態を明確にすることにより、新しい治療や治療薬の開発に発展させたいとしている。

この研究は、下記の施設の共同研究として行われた。
富山医科薬科大学整形外科、慶應義塾大学整形外科、京都府立医科大学整形外科などの臨床機関、遺伝子多型研究センター・遺伝子多型タイピング研究・支援チーム、情報解析研究チーム

参考

独立行政法人 理化学研究所 プレスリリース 椎間板ヘルニアの原因遺伝子を世界で初めて発見- 腰痛、座骨神経痛の治療につながる大きな一歩 –