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2008年4月22日
2005年8月、従来不可能であった神経網膜細胞、特に網膜の主要な細胞である視細胞を、マウスES細胞を使い産生することに、世界で初めて成功。更に、2008年1月、ヒトのES細胞で30%という高確率での作成に成功した。今後、視力や視野を回復させる再生医療への応用が期待されている。
2005年8月、独立行政法人 理化学研究所と京都大学は、マウスES細胞を使い試験管内での神経網膜前駆細胞、更に神経網膜細胞、視細胞の分化誘導法を世界に先駆けて開発した。
神経網膜は、視覚にとって最も重要な部分。視細胞は、その網膜の主要な細胞で、光を受け電気信号に変換する。神経網膜組織は、胎内で脳と同じ中枢神経系由来のため、哺乳類では再生能力が非常に低く一旦障害を受けると復元は難しい。その上、障害を受けやすく、機能異常は、網膜色素変性症、加齢黄班変性症、網膜剥離症、糖尿病性網膜症、網膜循環不全、緑内障などといった数多くの病気での失明の直接的原因になっている。
更に、理化研と京大は研究進めて、2008年1月、今度はヒトES細胞を使い網膜前駆細胞を作製し、この細胞から、視細胞と網膜色素上皮細胞(視細胞の機能維持を行なう)に分化させることに成功した。
今回の技術開発では、
・ マウスES細胞からヒトES細胞へ変更
・ 今まで培養に使っていた牛の血清を使わない
(成分が不明で、再生医療への応用には障害)
・ 視細胞の前段階までの分化過程で培養時間を工夫する
・ 視細胞への分化に、レチノイン酸とタウリンが必要と判明で使用
といった変更を行なった。
ヒト細胞で30%の高効率での生成はもちろん世界初で、画期的な成果だ。
万能細胞では、受精卵を使い倫理面の問題のあるES細胞に比べ、山中伸弥・京大教授らが開発したヒトの皮膚細胞から作製できる人工多能性幹細胞(iPS細胞)が研究の主流になってきている。
しかし、iPS細胞では、皮膚などの体細胞に遺伝子を入れて作るため自分の細胞ならば拒絶反応は抑えられるが、遺伝性の病気を持つ人は問題が残る。更に作製時にがんを引き起こすウイルスを使用するので、安全性の課題も残っている。
こういったことも踏まえつつ、理化研では、既にiPS細胞でも網膜細胞の分化に成功し、機能を比較する段階に入っている。