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2007年9月25日
2006年9月、東京大学の藤田誠教授らのグループが、直径5ナノメートル(nm、100万分の5mm)の極小カプセルにフッ素性溶液を閉じ込めることに成功した。液体を閉じこめたカプセルとしては世界最小である。カプセルは金属のパラジウムを含む分子と有機分子で出来ていて、藤田教授らはバラバラの分子が決まった構造に組み上がる「自己組織化」と呼ばれる現象を利用してこのカプセルを作成した。
これまで、色々な分子を組み合わせて微細物質を作ろうとしても、100nm以下のものは実現していなかった。
藤田は1990年に、パラジウム化合物と特定の構造を持つ有機化合物を混ぜると、散らばっていた分子同士が格子状に結合する反応を確認した。藤田は更に研究を進め、「くの字」形の有機化合物を使うと、パラジウム分子に4個の有機化合物分子が、傘形にくっつくことを確認。今回はこの反応を応用して、立体の卵形分子を作ることに成功した。
多くの研究者がフッ素性溶液のナノカプセル化に挑戦しているが、構造を自由に変えられるものは合成されていない。一方、藤田らの方法はカプセルの大きさや溶液中のフッ素分子数など構造を完全に制御出来、大変優れた手法と言える。
有機化合物分子に特定の分子を接着しておけば、生卵の中身のようにその分子がカプセル内に閉じ込められる。これを利用して、カプセル内部に医薬品やタンパク質を閉じ込めることも可能で、今後、医療分野への幅広い応用が期待出来る。カプセルによる動物実験では、目立った毒性は確認されていないという。
また、このカプセルは温度などの環境変化によって中の化合物を出し入れ出来る性質があり、これを利用して患部にカプセルで薬を届けるといった応用も考えられるとのことである。