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2008年4月26日
押井 守作品は、海外、特にハリウッドの監督らに衝撃を与えた。
米映画『マトリックス』(1999年)は、監督のウォシャウスキー兄弟が『攻殻機動隊』を見て「このような映画を作りたい」と発奮して作られた映画。更に、2008年4月、
スティーブン・スピルバーグ監督が関連会社と共に3D実写版制作に向け『攻殻機動隊』の原作コミックの映画化権を取得した。
押井 守監督の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の原作コミック(士郎 正宗氏作)映画化に向けユニバーサルやソニーらも競っていたが、結局スピルバーグ監督と関連会社ドリームワークスが獲得した。
スピルバーグは米バラエティ誌に、「『攻殻機動隊』は僕の大好きなストーリーの1つで、そのジャンル(SF)の到達点だ。ドリームワークスに迎え入れることができて、僕ら一同、大興奮しているよ」<2008年4月18日eiga.com 映画ニュースより引用>と語っている。
押井 守(おしい まもる)1951年生まれ
アニメ、実写や実写映画を中心に活動している日本の映画監督、演出家。
その他にも、ゲームクリエイター、小説家、脚本家、漫画原作者と活動は幅広い。
代表作
1989年 『機動警察パトレイバー the Movie』 (監督)
1995年 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』 (監督)
米『ビルボード』誌のホームビデオ部門で売上1位…日本アニメ初
全世界でのビデオ・DVDの売上は130万本
2004年 『イノセンス』 (監督・脚本)
第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネート…日本アニメ初
日本SF大賞受賞…日本アニメ初
現在世界中を引き付けている日本アニメには長い歴史があるが、その中で大友 克洋や押井 守世代で更に大きく花開いた。
『ターミネーター』や『タイタニック』等を大ヒットさせた米国のジェームズ・キャメロン監督は、早くから日本アニメに注目し、押井守の紹介者として大手映画会社に働きかけたという。又、1999年に大ヒットした『マトリックス』は、監督のウォシャウスキー兄弟が、『攻殻機動隊』を見て「このような映画を作りたい」と発奮して作られた映画だった。
押井 守監督作品の何が、彼らを突き動かしたのか?
『攻殻機動隊』の描く時代は21世紀、第三次核大戦と第四次非核大戦後。電脳化技術や、サイボーグ技術が発展。人間、電脳化した人間、サイボーグ、人造人間などが共存、その中で、犯罪を事前に察知して被害を最小限に防ぐ特殊公安警察組織、攻殻機動隊の活躍を描いたSF作品。(原作は士郎 正宗の同名コミック)
『攻殻機動隊 劇場版』の中で、キーポイントになる登場人物・天才ハッカー「人形使い」が次のように述べ、テーマの一部を代弁している。
「DNAは、自己保存のプログラムに過ぎない」
「人は、ただ記憶によってその自己足りうる。たとえ記憶が幻の同義語であったとしても、人は記憶によって生きるものだ」
「現代の科学は、未だに生命を定義することは出来ない」
自己認識、自分の存在の危うさ、夢や疑似体験、生きるということに対する重い問いかけが、ここにある。
普遍的な命題と共に、押井 守作品の先見性には、特筆すべきものがある。
1989年の『機動警察パトレイバー the Movie』では、まだパソコンは一般的ではなかったにも関わらず、「コンピュータウイルス」に着目し、その危険性を取り上げた。
1993年の『機動警察パトレイバー 2』には、「破壊活動防止法違反で逮捕する」という台詞がある。まだオウム事件が起こる前、破壊活動防止法が何なのかも知られていない時に既に登場させている。
押井 守自身は、時代の波に乗った理由の一つとして、ビデオの普及を上げている。
『機動警察パトレイバー』は、最初からビデオシリーズとして発売された。アニメが、テレビ番組のようなに一回放映されたら消えてゆくものではなく繰り返し見られる作品となり、作家性が問われるようになったという。
作品での緻密な状況設定や未来技術の考証、映像の斬新さは、今も新鮮で素晴らしい。