世界が賞賛!ヒトの皮膚から万能細胞生成 山中伸弥 | 日本の世界一

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NEWS 2008年4月10日

世界が賞賛!ヒトの皮膚から万能細胞生成 山中伸弥

京都大再生医科学研究所の山中 伸弥教授らが、ヒトの皮膚細胞から、様々な組織や臓器に分化できる万能細胞を作ることに、世界で初めて成功し、2007年11月20日の米誌「セル」に発表。
再生医療の実現に大きく道を開く画期的な成果。

このニュースは、翌日には世界を駆け巡った。
米ABCニュースは、「医学研究に革命を起こす発見が発表された」と紹介したほか、欧米など主要メディアも相次いで報道した。
山中教授の元には、世界各国からお祝いのメールが届いているという。

万能細胞は、再生医療には欠かせない。具体的な活用方法をあげると、心筋梗塞で弱った心臓に注入し、健康な心臓に戻す。又、脊髄を損傷した体に注入すれば、歩けるまでに治療できるのではないかと期待されている。他にも、白血病、骨粗しょう症、肝機能障害、糖尿病、パーキンソン病など、失った組織を再生させることで、これまでの医学では回復が難しかった病気を治せる可能性がある。

何故、これほど世界中から山中教授の研究が注目されるのか? 
それは、今までの再生医療の課題を一気に解決することが出来るからだ。
元々、万能細胞の研究は、受精卵や卵子を基に作るES細胞が中心だった。しかし、受精卵や卵子を使うことで倫理的な問題などがあり、世界各国で反対の声が上がっていた。更に、他人の細胞から作ったES細胞は拒絶反応を引き起こすという問題も抱えている。
しかし、山中教授は、昨年2006年、世界に先駆けて、ES細胞から様々な細胞に変化する上で重要な働きをする4つの遺伝子を発見し、マウスの皮膚細胞にこの4遺伝子を導入し、万能細胞を作成した。更に今回、ヒトの成人の皮膚細胞を使い、万能細胞を作ることに成功した。(人工多能性幹細胞『iPS細胞』と呼ばれている)この技術により、自分自身の体細胞を使い、ES細胞と同じ能力を持つ細胞を作ることが出来るので、様々な問題を解決できる。

この成果を受け、世界の研究の流れが劇的に変わろうとしている。
世界初のクローン羊ドリーを誕生させた英国のウィルムット博士は、日本の研究の方が優れているとして、クローン技術を使ったES細胞の研究を断念することを発表した。

競争も激しさを増している。
山中 伸弥教授らが発表した同じ日の11月20日に、米ウィスコンシン大も米誌サイエンスに、胎児や新生児の皮膚から作ったiPS細胞作成の研究を発表した。

日米のこれら受精卵や卵子を使わない研究には、早速、11月20日に米ブッシュ大統領から、22日にもローマ法王庁の生命科学アカデミーから、賞賛の声明が出された。

ところで、山中教授は、基礎研究を始める前は、臨床の整形外科医で、リュウマチや脊髄損傷など今の医学では治す事が出来ない多くの患者さんに接するうちに研究を志したという。

今後の課題は、安全性の確保だという。万能細胞は、作成する過程において、がんに関与する遺伝子やウイルスを使っているため、安全性を実証する必要があり、今すぐ実用化は難しいという。実用化には5年とも10年ともいわれているが、山中教授は、「激しい研究競争は、研究者にはストレスだが、研究のスピードアップになるため、待っている患者さんにとっては非常に良いと思う」と、実現化への時間がかなり短縮される可能性も示唆した。あくまで患者さん思いの優しいドクターだ。

国際間の激しい競争に勝ち抜くべく、政府も、iPS細胞など再生医療の実用化研究に本格的に乗り出すことを決めた。文科省の計画では、今後5年間に70億円を投入する。
米国でも、ブッシュ大統領が、iPS細胞を作製した米国内の大学を支援する意向だ。

各国の研究加速により、確実にオーダーメイド医療が近づいている。

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