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2007年12月28日
63歳176日に、世界最高峰のエベレスト(8848m)の登頂に成功した渡辺玉枝。 2002年5月16日に成し遂げられた、女性の世界最高齢記録樹立のニュースは世界中を駆け巡った。
1938年山梨県生まれ。27歳の時、勤め先の同僚と北アルプスに登ったのが山との出合いだった。38歳で北米最高峰マッキンリーを制してから、海外登山への挑戦が本格化した。 遅咲きの渡辺氏が咲かせた大輪の花々は、8000m級の山5峰、モンブラン、キリマンジャロ、アコンカグアなど輝かしい。
それでも、自称「普通のおばさん」の渡辺氏。エベレスト登頂時も、出発直前まで、自分が最高齢だとは知らなかったのだと言う。長さ500mの雪煙が舞い、ビルのような巨大な氷塊がすぐ近くで崩れ落ちる世界。同時期に登った人の中には足を滑らせ、亡くなっている人もおり、常に命の危険にさらされる場所だ。だが、彼女はその山を登りきり、帰ってきた。
超人的な記録の背景には、貧しい農家に生まれ、苦労して培ってきた体力と精神力があった。中学時代、父が病で倒れてからは農業を手伝った。リヤカーをひき、肥おけを担ぐ毎日。1日の仕事を終えると、夕方から定時制高校へ自転車で6kmの道のりを通ったという。
県立高校事務長を退職した後は、故郷の山梨に戻り、富士の自然を語るネイチャーガイドになった。登山教室で大好きな登山の魅力を皆に伝えながら、今も登山への挑戦を続けている。