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2007年10月23日
IHI(アイ・エイチ・アイ)アムテックは、「バルバス・バウ」(球状船首)の製造で、2007年に累計400隻目を完成させた。これは他社販売メーカーとしては、世界最多クラスの実績である。
同社は1991年にバルバス・バウ(Bulbous bow)の製造を開始。
バルバス・バウとは、水線下船首にある球状の突起のこと。この突起が作る波と、船体が海水をかき分ける際に生じる波とが相反し、波が相殺するので造波抵抗が抑制される。その結果、速度も燃料効率も上がった。バルバス・バウは多くの船型に利用されている。
プレス機械では形成できない複雑な三次元曲面を、職人が「撓鉄(ぎょうてつ)技術」という手作業で分厚い鋼板を図面通りに正確に曲げる。鋼板の表面の局部をバーナーで加熱後、その周辺を水で急速冷却して、鋼板の収縮変形を利用して曲げながら形成していく。この撓鉄技術は、シェア世界一に並び賞せられる「誇れる匠の技」といえよう。およそ900度もの高温で焼いた部分は、金属組織が破壊されて膨張する。次に水を掛けると、鉄板の加熱部分は熱する前よりも収縮する。この作業を何本も線をかく様に繰り返すことで曲面を作り上げていく。作業工程では、バーナーの焼き加減を色で見たり、水を掛けた時の音で判断する必要があり、人間の五感のなせる技である。
同社は1995年よりバルバス・バウの他社販売を開始、また外航船向けバルバス・バウの国内マーケットでも30%以上のシェアを持つ。
1990年に石川島播磨重工業から分社独立し、主としてバルバス・バウなど特化した部品などの製造を行う。シェアを伸ばす一方で、バルバス・バウを作り上げる撓鉄職人育成にも力をそそいでいる。